コゾロフメモ

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「翔んで埼玉」の感想

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私が生まれたのは青森の病院だが父が転勤族だった為小学校時代は各地を転々とした。そして小5の時父から「埼玉に転勤する」と告げられた時私は震えた。当時埼玉で連続殺人事件が起こっていて私の中では「埼玉=恐ろしい町」であった。学校でクラスの男子に「引っ越したらお前殺されるぞww」と言われたのをやたら覚えている。

が、実際住んでみると至って平和で結局そこから20年近く住むことになるのだった。地元の友達も少ないというかもはやひとりもいないし地元愛というものも特になかったけど、人生で一番長い時間を埼玉で過ごしたので出身地を聞かれると一応「埼玉っす」と答えていた。

そして何年か前「月曜からよふかし」で埼玉をテーマにした漫画があると紹介されていたのを見た。埼玉出身の人間がカーストの下の存在でとてつもなく虐げられている…というギャグ漫画だ。埼玉県民にはその辺の草でも食わせておけ!凄いセリフだ。すぐに漫画を買って読んだがその時はよくこんなネタ漫画にできたな〜昔はなんでもアリだったんだなぁ。くらいに思って終わっていた。で今回の映画である。

ギャグ系の邦画は全く興味ないので普段は見ないけど埼玉だし念の為見ておくことにした。よく考えたら今年初めて見る実写の邦画だ。シティーハンターとかアニメ映画は見てたんだけど。公開されたのは2月だけどまだ結構お客さんが入っていた。そして客層が明らかにこれまでと違った。大体2名以上で来てて(私は一人で見に行った)、普通にくっちゃべりながら見てるやつとか、笑いどころ全てでいちいち笑うおばさんとか……つまり結構民度が低いように感じた。

なので最初の方は結構ストレスを抱えながら見ていた。映画の内容も埼玉民が虐げられるシーンや現実パートで埼玉から脱出したがる若い女性の言動などを聞いているうちに「やっぱ埼玉ってださいんだ」「埼玉であることがそんなにいけないことなのか…」とだんだんつらい気持ちになってきた。

ところが。ギャグいちいち笑うおばさんのせいでテンションが下がっていた私ですら吹いてしまうようなシーンがその後続出し、クライマックスに向けて想像以上に話は盛り上がっていった。埼玉人にほら貝で海の音を聴かせて追い詰める千葉人とか、埼玉出身の有名人対決とか笑うからやめて!ラストシーンでは「埼玉ってすげえ」「埼玉人で本当に良かった…」と誇らしい気持ちで拍手までしていた(一人だったので手元で小さくだよ)。エンディングテーマも某県からのナイスパスという感じでよくできていたなあ。

特に地元愛は無いと思って生きてきたけど、よくよく考えれば埼玉にいたおかげでテレビ東京を見ることができエヴァンゲリオンもリアルタイムで楽しむことができた。TBSラジオNACK5も楽しむことができた。ダサさとそこからくるコンプレックスが今のけん玉活動の原動力となっているのだと思う。ありがとう埼玉県。ダサいたま最高!

出身県をここまで最高にクローズアップしてくれる映画が現れたことの幸せ。原作漫画を生み出してくださった魔夜先生、そしてこの漫画をクローズアップしてくれた月曜からよふかしという番組に感謝しつつこれからも埼玉民としてあのポーズをとっていきたいと思います。あとしらこばとかわいい。

※埼玉人の感想なので他県の方が見て面白いかどうかは知りません

以上